研究概要 |
1.K3曲面の研究について(文献[2,3,4,5,6,8,9]): (i)K3曲面から生ずるモーデル・ヴェイユ格子で、最大階数18をもつものの実例の計算、格子構造の完全な決定、有理点の生成元の具体的表示、分解体の決定、等を実行した.文献[2]. (ii)より一般に、任意の"特異"K3曲面(ピカール数が最大20のもの、上記(i)はその具体例)について、猪瀬による楕円曲面としての定義方程式を、6次以下の巡回的同種写像で引き戻したとき生ずるK3曲面の超越格子,ネロン・セヴェリ群とモーデル・ヴェイユ格子の構造を解明した。(学会発表(3)、文献[3],準備中) (iii)古典的なクンマー曲面の理論を、モーデル・ヴェイユ格子の観点から考察して、種数2の代数曲線の自己同型と、特異ファイバーないし切断の関係を解明した。文献[4]. (iv)直積アーベル曲面のクンマー曲面から生ずる楕円曲面の小木曽(1989)による分類の各タイプについて、楕円パラメータと定義方程式及びモーデル・ヴェイユ格子の構造を決定した。文献[6] 2.楕円曲線上の楕円曲面に関する研究。唯一つの特異ファイバーをもつ楕円曲面は、底曲線が射影直線のときは存在しないが、楕円曲線のときは存在し、しかも本質的に一意的である。これについて、代数幾何ならびに数論的な観点から詳細に調べた。文献[8]. 3.射影直線上の任意の算術指数をもつ半安定楕円曲面の存在、有限性と定義体、発表(2),文献[1] 4.(フェルマー型多様体のホッジ予想に登場するヤコビ和とガウス和に関連して)ある種のガウス和がpureになるための条件を決定した。文献[10]. 5。特殊関数の代表例である超幾何関数,および非線形の特殊関数を与える微分方程式であるパンルヴェ方程式を中心に研究を行った。とくに、ある種のソリトン方程式の階層から,パンルヴェ方程式のII型〜VI型が統一的に得られることを示した。発表(11),文献[11]、[12].
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