研究概要 |
平成17-19年度におきましては,ゼータ関数の関数等式に同値な関係式-モジュラー関係式-の研究を遂行いたしました.とくに,同値条件を定式化する際に基本的なセッティングは,フォックスのH-関数によって得られることを殆ど解明いたしました.個々の場合については,現在進行中でありますが,ガンマ因子が1個の場合は,完全に解明でき,変形ベッセル展開,イーワルド展開等を同定することができました.また,特殊な場合として,コタンジェントの部分分数展開は,関数等式と同値であることを明らかにでき,これまで見過ごされていた点を修正することが出来ました.代表的な2論文は2006年に出版されました2編です.以下に挙げております.「Aspects」の方では,さらにフルウィッツレルヒゼータ関数の関数等式をモジュラー関係式と捉えて新証明を与えております. 平成19年度は,著書・編集書が一冊づつ出版されました.一冊は,研究分担者塚田氏と共著のもので,図書として異化に挙げました.内容は,ゼータ関数の理論を通して,ベルヌーイ多項式,ガンマ関数等の特殊関数の理論を構成するという新しい観点からの成書です.2冊目は,第4回日中セミナー報告集でホットな分野のサーヴェイを集め,とくに,若手研究者の指針になるべく世に送り出しました.また,これは研究代表者が編集主幹を努めますw-ルドサイエンティフィック社のブックシリーズ「数論とその応用」の第2巻でもあります.第3巻は,京都大学畑氏によるもので,「解析学問題集」で,数論の解析的な部分に関するworked-out examplesを修正し,ポーヤセゴウの「問題集」に匹敵するものと考えております. また,論文で以下に挙げましたものは,フルウィッツゼータ関数の理論を集大成するものでありまして,スリヴァスタヴァ-チョイの著書159-274ページの内容をわずか数ページに収めております.また,最近出版されました,エスピノサ-モルの論文の内容をも包含しております.
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