研究分担者 |
川村 一宏 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (40204771)
加藤 久男 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (70152733)
山ざき 薫里 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助手 (80301076)
矢ヶ崎 達彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40191077)
上原 成功 高松工業高等専門学校, 一般教育科, 講師 (80321496)
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研究概要 |
数直線の閉集合全体にHausdorff距離を入れた巾空間に関して,ポーランドのKubis氏と共同研究を行っていたが,有界閉集合の巾空間とその部分空間に関しては,一般のEuclid空間へ拡張することができ,結果を論文にまとめ学会誌に投稿することができた.数直線に関する結果の内容に関しては,昨年度の実績報告書で報告済みであるので省略する.また,2次元以上のEuclid空間の閉凸集合全体にFell位相を入れた巾空間に関して,2年前に中国のYang氏と共同研究を行い,そのEuclid空間とHilbert立方体との積に同相になることを示していたが,この結果も論文にまとめ学会誌に投稿することができた.また,稠密度τの無限次元Banach空間のコンパクト凸集合全体と有界閉凸集合全体にHausdorff距離を入れた巾空間がそれぞれ稠密度τのHilbert空間と稠密度2^τのHilbert空間と同相になることも証明した.Euclid空間の閉凸集合全体にHausdorff距離を入れた巾空間に関しては,ウクライナのBanakh氏との共同研究を開始した. Euclid空間の帰納極限は代表的なLF空間であり,この空間をモデルとする多様体の研究は十分になされてきた.可分なLF空間はEuclid空間の帰納極限と同相でなければ,Euclid空間の帰納極限とHilbert空間の積空間と同相になることはMankiewiczによりすでに証明されていたが,Euclid空間の帰納極限と同相でない可分なLF空間をモデルとする多様体の研究はなされていなかった.今年度は,大学院生の嶺幸太郎氏とこのLF空間に関する研究を行った.Whitney位相を持つユークリッド平面の同相写像群の研究を行い,この空間がEuclid空間の帰納極限とHilbert空間の積空間に同相になることを示し,結果を論文にまとめ学会誌に投稿した.さらに,Euclid空間の帰納極限とHilbert空間の積空間の開集合は,Hilbert多様体とEuclid空間の帰納極限の帰納極限の積と同相になり,2つの開集合が同じホモトピー型を持つとき互いに同相になることが分かった. 各研究分担者もそれぞれの役割分担において成果を上げることが出来た.
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