研究概要 |
基本群から標数pの有限体上で定義された2次の特殊線型群への表現を考え,これにより定義されるねじれAlexander不変量について研究を行った。昨年度からの和田氏(奈良女子大),鈴木氏(東大)との共同研究の結果に関しては今年度2つの雑誌に掲載された。今年度はこれらの結果に引き続き,鈴木氏と共同で全射準同型写像の存在により定義される結び目群の間の半順序に関して研究を進め以下3点に亘る結果を得た。 1.三葉結び目及び八の字結び目の極小性。 2.10交点以下の結び目における順序と結び目の周期との関係。 3.具体的に構成した全射準同型写像の写像度1の写像による実現可能性。 これらに関しては現在論文を準備中である。 また森藤氏(東京農工大)との共同研究で,元来有理式として定義されるねじれAlexander不変量がいつ有理式からLaurent多項式になるかについて研究を進めた。和田によりこれまで知られていた結果や北野-森藤による結果の拡張となる結果が得られた。こちらに関しても論文を現在準備中である。 6月には数学国際研究所(フランス・マルセイユ)で行われた研究集会に参加者し,ヨーロッパやアメリカの研究者と討論、情報の収集を行った。
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