研究概要 |
(1) リーマン面上に有限群が作用する場合,楕円型作用素(Dolbeault作用素)の行列式を用いて,不動点の周りの回転角に関する情報を与える新しい方法を開発した。この結果については,次で出版した。K.Tsuboi,On the rotation angles of a finite subgroup of a mapping class group,Proc.Japan Acad.,84,Ser.A(2008),184-185. (2) リーマン面は定スカラー曲率Kahler計量を持つ複素多様体であるが,一般次元の定スカラー曲率Kahler計量を持つ複素多様体に対して,不動点集合が点のみからなるという仮定の下で,不動点の周りの回転角に関する情報を与える新しい方法を開発した。この結果については,次で出版した。K.Tsuboi,A fixed point formula for O-psudofree S^1-actions on Kahler manifolds of constant scalar curvature,Tokyo J.Math.,31-2(2008),541-550. (3) Kahler-Einstein計量を持たず,無限個の非相似な定スカラー曲率Kahler計量を持つ複素多様体に対し,定スカラー曲率Kahler計量を含むKahler類を特定することに成功した。全てのKahler類が定スカラー曲率Kahler計量を含む複素多様体および定スカラー曲率Kahler計量を全く持たない複素多様体の例は以前から知られていたが,上記の性質を持つ複素多様体は今まで知られていないものである。この結果はK.Tsuboi,On the existence of Kahler metrics of constant scalar curvature,Tohoku J.Math.61-2(2009)で出版予定である。
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