研究分担者 |
安藤 良文 山口大学, 理学部, 教授 (80001840)
宮澤 康行 山口大学, 理学部, 助教授 (60263761)
内藤 博夫 山口大学, 理学部, 教授 (10127772)
中内 伸光 山口大学, 理学部, 助教授 (50180237)
幡谷 泰史 山口大学, 理学部, 助手 (20294621)
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研究概要 |
GをコンパクトLie群とするとき,可微分G多様体に対するcut-and-paste(ドイツ語ではSchneiden und Kleben)と呼ばれる操作によって,G多様体のSK群SK_*(G)が得られる。このSK群の各元は閉Z_2多様体によって代表される。このSK群の代数的構造の解明と,そこに各種の特性数がどのように関わっているかを探ることが本研究課題の目的であった。 本年度はとくにGが位数2の巡回群Z_2の場合について考察した。結果として特性数としてはオイラー標数のみを扱うこととなった。m次元閉Z_2多様体によって代表されるSK_*(Z_2)の元が,それより低い次元の2つの閉Z_2多様体の積多様体によって代表されるための必要十分条件を求めた。このことは既に奇数位数アーベル群Gに対して得ていた結果の,Z_2への拡張および更なる深化である。奇数位数アーベル群の場合は,不動点多様体の法表現の複雑さにより,整数で割れるための条件であったが,位数2の巡回群Z_2の場合は一般にSK_*(Z_2)の元で割れるための条件を求めることができた。 得られた条件はZ_2多様体およびその不動点多様体の各次元成分のオイラー標数に関する連立方程式の解の存在として述べられる。また,この結果の応用として,SK_*(Z_2)の元が自明なZ_2作用をもつZ_2多様体で割れるための,および自由なZ_2作用をもっZ_2多様体で割れるための条件をそれぞれ求めた。いずれもZ_2多様体とその不動点多様体のオイラー標数に関する条件である。これらの成果はK.Komiya ; The decomposability of Z_2-manifolds in cut-and-paste equivalenceとして現在,Tokyo Journal of Mathematicsに投稿中である。 さらに各研究分担者により,これらの周辺問題に対する多くの関連成果も得られた。
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