研究課題
基盤研究(C)
球面上の滑らかな有限群作用の固定点集合が0次元の場合の諸問題の考察を行った。森本により、球面上の滑らかな有限群作用が1個の固定点集合を持つための条件は完全に決定されていて、そのような有限群をオリバー群と呼ぶ。さらに、彼は、1次元以上の固定点集合をもつ有限群作用が存在するための十分条件も得ている。今年度の研究では、上記十分条件のうちの1つ、ギャップ群について前年度の研究を発展させた。この結果に関して、岡山大学で開かれた研究集会で講演した。固定点の近傍は、その点上の接空間の近傍と同一視されるため、群の表現になっていると思うことができる。これを固定点上の表現と呼ぶことにする。固定点がちょうど2点である球面上の有限群作用を考える。スミスは、固定点上の表現2つが同型であるかと問題を出したが、位数8の巡回群に対して、同型とならない作用の例が見つかった。オリバー群、特に、非可解群については、素数ベキでない位数の元の実共役類の個数が2つ以上であることが、固定点上の表現2つが同型とならない2プロパーな球面上の作用が存在するための必要十分条件であろうと予想された。この予想は、パワロウスキー、ソロモンによって、多くの非可解群について正しいことが示されている。本研究では、条件「2プロパー」をはずした場合の考察を行った。すなわち、素数ベキでない位数の元の実共役類の個数が1以下である非可解群について、2つの固定点上の表現が同型となるかどうか、パワロウスキーと共同で考察し、いくつかの群に対して同型となることを示した。具体的には、そうなるための既知な十分条件を緩和し、さらに判定がしやすい条件を見つけた。この結果は、大阪大学で開かれた研究集会「変換群論シンポジューム」において発表した。
すべて 2005 その他
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New evolution of Transformation Group Theory, RIMS Kokyuroku 1449
ページ: 132-139
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Trans.Amer.Math.Soc. (to appear)