研究分担者 |
平峰 豊 熊本大学, 教育学部, 教授 (30116173)
桑江 一洋 熊本大学, 教育学部, 助教授 (80243814)
酒井 隆 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70005809)
清原 一吉 岡山大学, 理学部, 教授 (80153245)
田中 実 東海大学, 理学部, 教授 (10112773)
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研究概要 |
本年度に得られた大きな進展としては,一般次元の楕円面(軸の長さが全て異なる)を含むある種のコンパクトn次元Liouville多様体の最小跡を決定する問題に対して,ひとつの(楕円的)座標が一定であるn-1次元diskに同相な領域になることが,一般点の場合には,概ね示すことが出来た.方法は,2次元の楕円面の場合に行ったものと基本的には同様で,次元に関するある種の帰納法に持ち込みものであるが,場合わけが極めて煩雑になり,詳細な検討を要する.また,2次元の場合の非コンパクトな二次曲面やLiouville曲面の場合は既に議論は終わっているが,現在,論文の執筆中である(これらは全て清原氏との共同研究). 最小跡の構造の問題は,最小跡が第1共役跡とは共通部分を持たず,更に非退化性のような条件を仮定して,最小跡をstrataに分け,その局所構造が単位接空間の有限個の点集合(最短線の逆方向の単位ベクトル)の最小跡の錐構造を持つことを示し,距離関数の臨界点におけるハンドル分解(ある種のモース理論)を導入することが出来ることを論文にまとめ投稿した.ただ,非退化性のような条件の稠密性が示すことが出来ていないことが残念である.(酒井氏との共同研究). 新たな問題として,閉じていない空間曲線の絶対全曲率に関して,始点,終点,始方向,終方向とその長さを与えたときに,絶対全曲率を最小とする曲線は,2つの線分からなることを示すことが出来た(榎本氏Sinclair氏との共同研究). 他にも,cylinderの不思議な性質に関するもので,低い円柱ではSteinhausの性質を満たし,最遠点に関しては球面に近いことを意味しているのに、他方、ほとんどの平面凸領域のcylinderでは,その最小跡は極めて複雑になることを示した(Vilcu氏との共同研究).
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