研究分担者 |
前田 吉昭 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40101076)
亀谷 幸生 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70253581)
戸瀬 信之 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00183492)
夏目 利一 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00125890)
小野 薫 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (20204232)
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研究概要 |
本研究では「捩れK理論」や「コサイクルで捩ったC^*群環」をとりあげ,この概念が関与する指数定理の導出を探った.捩れK理論やコサイクルで捩ったC^*群環などは,基本群の大きい多様体に対して興味深い振舞いをするので,とくに双曲多様体に対して上記の指数定理を検証することも関心ある目標となる.具体的には以下を目的とした: 1)Marcolli-Mathai指数定理を発展させ,「捩れK理論」や「コサイクルで捩ったC^*群環」が関与する指数定理を導出し,その位相幾何公式を見出す; 2)双曲多様体に対して上述の指数定理を検証し,さらにChern-Simons類・R-torsion等の基本群の性質をよく反映する「幾何的二次不変量」との関連性を探る. そしてCarey, Mathai, Murray等により, 1)に関してはU(1)に値をもつCech 2-コサイクルで捩った亜群C^*環のK群と捩れ$K$理論との密接な関係や,Gerbeとの関連性を明らかにした.またMarcolli-Mathaiによる2-コサイクルで捩ったC^*群環を対象とする指数定理を葉層多様体上で展開し,対応する位相幾何公式を得た.これによりホロノミー群の大きい葉層束に対して非常に興味深い結果が導かれる:例えば,「葉層多様体において,各葉がシンプレクティック構造を許容するとする.さらに各葉がK(π,1)多様体であるとき,この葉層多様体は各葉が正のスカラー曲率を有するような葉に沿うリーマン計量を許容しないことがわかる,これは葉層多様体に対してもGromov-Lawson予想の一般化が成り立つことを示している。さらに複素多様体への応用を求め、「K-asphericalな複素多様体のケーラー閉部分多様体は、次元の偶奇をかけると必ず非負のTodd種数をもつ」ことを証明した. 2)に関しては,概接触多様体に対してMorita-Hirzebruch不変量を定め,これを用いて3次元多様体に関するエータ不変量を表す微分幾何的公式を得た.加えて、Reeb流に関する葉層上の指数定理、Bootによる局所化公式、葉層多様体の二次特性類およびRuelleによるベクトル場の回転数との明確な関連を見出した.
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