研究課題/領域番号 |
17540094
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
加藤 昌英 上智大学, 理工学部, 教授 (90062679)
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研究分担者 |
辻 元 上智大学, 理工学部, 教授 (30172000)
田原 秀敏 上智大学, 理工学部, 教授 (60101028)
谷口 肇 上智大学, 理工学部, 助教授 (40053657)
横山 和夫 上智大学, 理工学部, 助教授 (10053711)
青柳 美輝 上智大学, 理工学部, 助手 (90338434)
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キーワード | 複素多様体 / 正則写像の拡張 / 非ケーラー多様体 / Harotgs現象 / 複素射影構造 / Schwarz微分方程式 |
研究概要 |
複素多様体がProbableとは、その多様体を値域とするHartogs領域Hからの任意の正則写像について、Hの正則包△上の最大正則領域が△の部分領域になることをいう(詳しくはKato, M. and Okada, N.,Ann.Inst.Fourier 54(2004)1827-1854参照)。コンパクトKaehler多様体はすべてProbableであるが、Probableでないコンパクト多様体はnon-Kaehler多様体の中でも珍しい。今年度はProbableなコンパクト3次元複素多様体が3次元射影空間の直線の近傍と正則同型な領域Uを含むとき(Class Lの多様体)、この多様体に随伴して、全体に射影構造を持ちUを含む極大な複素多様体を構成する標準的な方法があることを示した。この「極大な多様体」は元の多様体を「整形したもの」と考えられる。この事実は3次元射影空間の射影化された接バンドルの2重ファイバー構造を考え、B.Maskitによる1次元のKlein群の理論の初等的な部分の類似の議論をGrassman(4,2)に対して実行して証明される。元の多様体が幾つかの因子を除いた領域にまで射影構造を許すとき、随伴する「極大な多様体」がコンパクトになるかどうかを中心に調べたが、決定的な結果は得られていない。この極大な複素多様体は一般には一意的かどうかまだ分からない。元の多様体上に対数的射影構造がある場合には、幾つかの付帯的な条件もとにコンパクトになることが分かった。2005年7月の多変数関数論サマーセミナーにおいては、特にM.Yoshidaから研究上の多くの刺激を得た。2005年12月の葉山における多変数関数論シンポジュームでは、A.Fujikiによる新しいClass Lの多様体について情報を交換した。同時にG.Dlousskyとは、Class VIIoの多様体についての最近の発展について情報を交換した。
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