研究課題/領域番号 |
17540113
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小川 知之 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教授 (80211811)
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研究分担者 |
名和 範人 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (90218066)
中西 周次 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助手 (40333447)
桑村 雅隆 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (30270333)
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キーワード | 多重Hopf分岐 / 分岐解析 / 標準形 / 電気化学振動反応 / Rotating Wave / Standing Wave / 反応拡散系 |
研究概要 |
反応拡散系において現れる時空間パターンの分岐解析を行った。一般に振動場のダイナミクスをもつ2種反応拡散系では、一様定常状態からの空間非一様なホップ分岐は一番目の分岐として現れないが、3種反応拡散系では適当な条件下で空間非一様なホップ分岐が一様モードより早く現れることを明らかにした。(すなわち時間的にも空間的にも周期的な振動が観測されうる。)これは昨年度行った電気化学振動反応のモデルとその時空間パターンをより普遍的な枠組みで捉える試みとして始めた物で、種々の時空間パターンの解析をする上での基本的な考え方になると期待している。空間非一様なホップ分岐は必然的に多重ホップ分岐の形で現れるので、それらの相互作用を解析することが、最終的にどのようなパターンが得られるかという選択問題に答えることになる。その際、与えられたモデルに対してその臨界モードの相互作用を求めるという順問題は分岐解析で答えられる。この試みはすでに昨年度、電気化学振動反応のモデルで一定の成果が得られている。また、今年度はより広いクラスの3種反応拡散系でも分岐解析を行った。さらに、空間非一様なホップ分岐と、定常のチューリング分岐が同時に起こるような状況も発見し、そこでの分岐解析を行い、対応する種々のパターンの数値シミュレーションにより確認した。こうした解析は多くの化学反応の時空間パターンを理解する上で新しい知見を与えうる。しかしながら、生成したいパターンを与えてそれが安定になるようなパラメータ(またはモデル)を求めるという逆問題も実験にフィードバックする上で重要であるが、これに対してはまだ満足のいく結果が得られていない。
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