研究概要 |
平成18年度は、ダム問題といわれる自由境界問題に対して努力を集中した。そのために、混合型の境界条件を与えた楕円型境界値問題で境界を摂動した場合に、境界値問題とそのDirichlet積分がどのように変動するかを調べた。そして、その第一変分を計算することに成功した。それを以下の論文にまとめた: T.Suzuki, T.Tsuchiya : Weak formulation of Hadamard variation and its application to the filtration problem, (preprint) 現在、上記論文を学術雑誌に投稿中である。 この成果を受けて、その後楕円型境界値問題の解とそのDirichlet積分の境界の摂動に関する第二変分を計算すべく努力を重ねた。その結果、ラプラシアンについての境界値問題におけるGreen関数の境界の摂動に関する古典的なHadamardの変分公式に対する簡明な証明を発見した。現在、その結果をダム問題の場合に適応すべく考察を進めている。 これとは別に、正方行列の固有値と固有ベクトルを計算するための古典的Jacobi法の収束について、非常に簡単な証明を発見した。それを、 T.Tsuchiya : A note on convergence and a posteriori error estimate of the classical Jacobi method, (preprint) にまとめ、現在学術雑誌に投稿中である。
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