研究概要 |
研究実施計画の役割分担に従って,下記の研究成果を得た. (1)研究代表者は,ミニマム型の多段決定過程を研究した.埋め込まれたパラメータをもつマルコフ決定過程として定式化した.政策は過去の埋め込まれたパラメータを含むヒストリーに依存していて,各時間での利得はランダムで現在の状態とアクション,次の状態に依存している.作用素を用いて最適方程式を与え,右連続な確定的マルコフな最適政策が存在することを示した.これらの成果は論文としてまとめ,雑誌に掲載予定である. (2)安田正實は,離散時間ファジィ確率過程のもとでアメリカン・プット・オプションを価格付けする方法を発展した.提案した方法は,各種のファイナンスを価格付けするときにファジィ不確定性とランダム不確定性を反映している.また,動的なファジイシステムにおける最適停止ゲーム問題を考え,均衡点の存在を与え,最適値の特徴づけを与えた.これらの成果は論文としてまとめ,発表した. (3)岩本誠一は,2次制約のもとでの2変数2次目的関数を最適にする6つの最適化問題を考えた.これらの問題の最適点と最適値は黄金解であり,cross-dualityをもつことを示した.この成果は論文としてまとめ,発表した. (4)新関章三は,あるベキ集合での位相の性質を調べ,その位相と集合列の収束の関係を与え,集合列の収束がこの位相での収束と一致することを示した.この成果は論文としてまとめ,発表した. (5)野間口謙太郎は,EMアルゴリズム利用者が信じている「Wuの条件の下でGEM列が収束する」に対して,MLEまたは最適解に収束しない簡単な反例を与えた.また,EM列の収束に対してWuの証明の訂正版を与えた.この成果は論文としてまとめ,発表した.
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