研究課題/領域番号 |
17540143
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
岡 裕和 茨城大学, 工学部, 助教授 (90257254)
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研究分担者 |
田中 直樹 静岡大学, 理学部, 教授 (00207119)
中本 律男 茨城大学, 工学部, 教授 (80007799)
西尾 克義 茨城大学, 工学部, 助教授 (40001698)
榊原 暢久 茨城大学, 工学部, 講師 (30235139)
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キーワード | 準線形発展方程式 / 局所リプシッツ作用素半群 / 退化準線形双曲型方程式 / 安定性条件 / 作用素不等式 / 作用素幾何平均 / conelike半群 / Stieltjes完全性 |
研究概要 |
1.双曲型偏微分方程式系の初期値問題の2つの解の差を測るものとして、ノルムではなく解の増大を測るための汎関数を援用することで導入される、局所リプシッツ作用素半群の理論建設が強く望まれている。本研究では、局所リプシッツ作用素半群の無限小生成作用素が半線形である場合を考察した。その結果、局所リプシッツ作用素半群が半線形発展方程式に対する初期値問題の弱解を与えるための必要十分条件を、解の増大度を測る汎関数を用いた『非負なリプシッツ連続汎関数により表現される局所的半線形安定性条件』と『劣接線条件』により与えることに成功した。得られた理論を、複素Ginzburg-Landau方程式の混合問題の弱解の一意性の問題へ応用した。 2.退化準線形双曲型方程式に適合する抽象理論として、Hadamardの意味の準線形発展方程式に対する初期値問題の適切性理論がある。これに関連する近似理論を考察した。新たな安定性条件を,差分近似理論における安定性条件をもとに提案した。その安定性条件のもとに、Chernoffタイプの積公式が成立することを導き、その成果を退化Kirchhoff方程式に対する初期値境界値問題の数値解法に応用した。 3.種々の作用素平均の差および比に関する不等式を与えた。作用素幾何平均に関するノルム不等式とその逆不等式を与えた。traceに関するある種の不等式を証明した。 4.conelike半群上の有界で連続な正定値関数の積分表示はP.Ressel教授により得られていた。我々は以前にconelike半群上の(有界とは限らない)正定値関数は必ず積分表示できることを示したが、連続性との関わりが未解析であった。本研究では、2次元の場合でさえ、連続な指標によるモーメント関数が連続にならない反例を示した。
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