研究課題/領域番号 |
17540145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
曽我 日出夫 茨城大学, 教育学部, 教授 (40125795)
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研究分担者 |
海津 聰 茨城大学, 教育学部, 教授 (80017409)
野崎 英明 茨城大学, 教育学部, 教授 (60208337)
千葉 康生 茨城大学, 大学教育センター, 講師 (90400598)
中村 玄 北海道大学, 理学研究科, 教授 (50118535)
伊東 裕也 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30211056)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 数理物理学 / 逆問題 / 弾性方程式 / 地震波 / 散乱理論 / Rayleigh波 / 波動方程式 / 偏微分方程式 |
研究概要 |
本研究の当初の目的は、Rayleigh波などの表面波に焦点をあてた数理モデルをつくり、「表面波の散乱状態から表面近くの物体の状態を知る」という逆問題を考察すること、「地震探査を想定した数理モデルをつくり、人工震源からの反射波を表面で観測することから地層の形等を知る」という逆問題を考察すること、さらにこの逆問題を数値解析的に解くとともに、現象を映像的にみせるソフトをつくることであった。これらについて以下の成果を得た。 Rayleigh波の逆問題については、その散乱の数学的な枠組みを標準的なLax-Phillips型で構成し、その下で、逆問題の基礎となる散乱核表現式を求めることができた。さらに、この表現式を使って、上で述べた逆問題を解くことができた。これらは、広島大学の川下美潮氏他と共同で行った。また、この研究結果を国際研究シンポジウムで発表するとともに、国際的な学術誌に論文を投稿中である。 また、当初の予定にないものであるが、複素積分を使った新しい弾性波の表示法を開発した。これは、まだ萌芽的なものであるが、反射状況を表すもので今後逆問題に利用できる可能性の高いものである。 地震波に関する逆問題については、当初予定していたところまでは究明できなかったが、問題設定と(ある条件下での)その解法を開発することができた。すなわち、地中の1点からパルス球面波を発生させ、その反射波から下部の地層の形が決まることを、単純な設定の下で明らかにできた。しかし、より複雑な設定での解析には成功しなかった。 地震波の逆問題に利用可能と思われる最適形状問題の数値解放が開発できた。また、地震波の進行と反射の様子をパソコン画面に表示するプログラムを作ることができた。これは、地層の境界の形を反射波から知るという逆問題を視覚的にとらえるパソコンソフトに発展させることができるものである。
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