研究概要 |
次のNeumann問題に対して、解の多重存在についての結果を得た。 (1) {-Δu+λu=|u|^<2^*-2>u+f inΩ,(∂u)/(∂ν)=0 on∂Ω ただし、ΩをR^N(N【greater than or equal】5)の有界領域で、その境界∂ΩはC^2の意味で滑らかとし、λ>0とする。2^*=2N/(N-2)である。|f|_<2^*/(2^*-1)が十分小さい任意のf∈L^<N/2>(Ω)に対し、問題(1)は少なくとも4つの解を持ち、少なくともそのうちの1つはsign-changingであることを示した。 この定理とほとんど同じ結果がTarantello[Manus.Math.81]によって報告されている。しかし、その証明において、sign-changingな解を求める際に、一般的には成立しないu→∫_Ω|▽u^+|^2dx:H^1(Ω)→Rの微分可能性が使われているという難点がある。この論文では、u→∫_Ω|▽u^+|^2dxの微分可能性を使わなくても、上記の結果が成り立つことを示した。汎関数I:H^1(Ω)→Rを、 Iu=1/2∫_Ω(|∇u|^2+λ|u|^2)dx-1/2^*∫_Ω|u|^<2^*>dx-∫_Ωfudx,u∈H^1(Ω) と定め、∧^-={u∈H^1(Ω):<I'(u),u>=0,<I"(u)u,u><0},∧^-_*={u∈H^1(Ω):u^+,u^-∈∧^-}と置く。このとき、Iu=infI(∧^-_*)を達成する元u∈∧^-_*が存在することを示した。しかし、∧^-の場合と違って∧^-_*はC^1-多様体ではないので、このuがIの臨界点であることはきちんと示す必要があるが、それを解決した。
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