研究分担者 |
菅野 孝史 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (30183841)
加須栄 篤 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40152657)
今吉 洋一 大阪市立大学, 理学研究科, 教授 (30091656)
野口 潤次郎 東京大学, 数理科学研究科, 教授 (20033920)
清水 悟 東北大学, 理学研究科, 助教授 (90178971)
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研究概要 |
1.研究代表者児玉と研究分担者清水は,複素多様体Mの正則自己同型群Aut(M)のなす位相群としての構造からMの複素多様体構造を特徴付けるという基本的な問題を研究した.主要な結果としては,以下のような事が証明され,論文として印刷公表する予定である: (1)GをAut(C^n)の連結なコンパクト部分群で,しかもリー群構造を持つものとする.このとき,Gの階数,すなわちGの連結な極大コンパクト可換部分群の次元は常にn以下である.更に,Gの階数がちょうどnに一致するのは,ある自然数n_1,…,n_sでΣ^s_<j=1>=n_j=nを満たすものが存在して,Gがユニタリ群の直積U(n_1)×…×U(n_s)に共役である場合に限る. (2)(1)の結果の応用として,m≧nのとき,Aut(C^n)はAut(B^m)と位相群として同型である部分群を含むことは出来ない.ただし,ここでB^mはC^m内の単位球である.また,m<nの場合には,同様の結果が一般には成り立たないことを示す具体的例が存在することが分かった. 2.分担者今吉はリーマン面の正則族に関連した多くの新しい結果を得た.特に,正則族のモノドロミーと正則切断を中心に研究し,ある種の小平曲面から定まる正則族の正則切断の決定,及び穴あき円板状の正則族のモノドロミーの特徴付けを与えた.また,分担者野口は準アーベル多様体への正則曲線に対し,レベル1の打ち切り個数関数による第2主要定理を証明し,更にその応用を研究し,興味のある新しい結果を得た.
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