滑らかさの正則性を持たない積分核から定義されるCalderon-Zygmund型の特異積分に対してある種の積分核の大きさに関する条件のもとに、Lebesgue空間Lpでの精密なノルム評価が得られた。積分核のLq可積分性でqが1に近づく時の特異積分作用素の精密なLp評価を証明することにより、補外法(extrapolation)が適用できることになる。これにより、積分核の最小の大きさを仮定するだけで、特異積分作用素のLp有界性が証明された。この結果はさらにRadon特異積分作用素の場合に拡張された。A.Al-Salman and Y.Panは論文Singular integrals with rough kernels in $Llog L(S^{n-1})$において少し違った方法で同様の結果を示している。我々の方法は積分核の大きさに対応した予想される最良のLpノルム評価を証明することにより、補外法の応用を可能とするものであり、新しい証明方法である。さらに、この方法によりA.Al-Salman and Y.Panの結果を一部改良することができた(Estimates for singular integrals and extrapolation)。 証明方法は基本的には、J.Duoandikoetxea and J.L.Rubio de Francia(Maxinal and singular integral operators via Fourier transform estimates)の方法によるが、ポイントは積分核のLq可積分性に対応したLittlewood-Paley分解を用いることである。この方法は他のいくつかの種類の特異積分作用素にも適用できることがわかった。
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