研究課題/領域番号 |
17540163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
諸澤 俊介 高知大学, 理学部, 教授 (50220108)
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研究分担者 |
加藤 和久 高知大学, 理学部, 教授 (20036578)
谷口 雅彦 奈良女子大学, 理学部, 教授 (50108974)
藤解 和也 金沢大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (30260558)
木坂 正史 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 助教授 (70244671)
石崎 克也 日本工業大学, 工学部, 助教授 (60202991)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 複素力学系 / 超越整関数 / 複素誤差関数 / 構造有限型整関数 / 特異値 / パラメータ空間 / 双曲成分 / 半双曲性 |
研究概要 |
諸澤は複素誤差関数の力学系について研究を行った。特に係数が実数の場合のパラメータ空間を考察した。パラメータ空間での双曲成分を調べ、双曲成分に沿っての方物型分岐について結果を得た。この複素誤差関数は谷口の定義した構造有限型整関数族に属し、その特異値の数が二つのものである。二つの特異値を持つ構造有限型整関数は他に、3次多項式と単純象眼指数関数がある。平成17年度には諸澤と谷口はこれら3つの構造有限型のパラメータ空間における双曲成分を調べ、いくつかの例を構成した。さらにcapture typeについて結果を得たので、論文としてまとめ、投稿中である。 加藤は記号力学系を用いて、実双曲反復写像系におけるアトラクタの力学的構造の考察を続けた。 谷口は構造有限型整関数の力学系とその分岐構造との関連を明らかにした。また、漸近的タイヒミュラー空間のモデルを与えた。 中根は固有値1の方物的不動点を持つ3次多項式のBranner-Hubbard-Lavaurs変形を考察した。特に実3次多項式の場合に変形空間とstretching rayとの関係の研究を進めた。 藤解は有理型函数の角領域における一意性問題を森正気氏及びW.Lin氏と共同して研究し、既知の結果を拡張した。また、有理型函数の正規族との関連について新たな知見を得た。さらに微分方程式あるいは函数方程式を満たす有理型函数の値分布を調べるための新たな手法について研究した。 木坂は有理写像の複素力学系のsimi-hyperbolicityに関する「Maneの定理」が超越整関数の場合にどのような形で成立するのかを考察し,ジュリア集合上の点の近傍で力学系がsimi-hyperbolicであるための必要十分条件を得た。また、従来のものとは異なる擬等角手術の手法を用いて、2重連結な遊走領域を持つ超越整関数や、一般にn重連結な遊走領域を持つ超越整関数を構成した。 石崎はSchroederの函数方程式の解の値分布的性質と定義有理型関数の複素力学系的性質の間の関係を調べた。また、超越関数を含む函数方程式の解の性質も取り扱った。
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