研究概要 |
区間Iで定義された正の作用素単調関数全体をP_+(I), log fが作用素単調であるようなf全体をLP_+(I),定義域がI,値域が(0,∞),逆関数が作用素単調であるような関数全体をP_+^<-1>(I)と書く。P_+^<-1>(I)は積の演算で閉じていて、LP_+(I)の関数の掛け算で不変であることを示した。 関数k, hについて k(A)〓k(B)であるすべての行列A,Bについてh(A)〓h(B)が成立するとき、kはhのmajorizationと呼ぶ。g, kがそれぞれLP_+(I), P_+^<-1>(I)に属し、f, hのmajorizationであるとき、積gkは積fhのmajorizationになることを示した。この定理から、0<β〓α,1〓αのとき、t^αexp(-t^<-β>)がP_+^<-1>[0,∞)に属することを示した。これはドイツの数学者Tautenhahnから質問された問題であった。 ヨルダンで開催された国際会議に招待され、講演予定であったが、中近東の政情不安定のため出席を取りやめた。その代わり、北大における調和解析の研究集会、大阪教育大における実解析学の研究集会に出席し、幅広い分野の知見を得た。また、近畿大学における日本数学会で2つの講演をした他、京都大学数理解析研究所での研究集会でも成果を発表した。
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