研究課題
基盤研究(C)
非線形発展方程式論、特に時間依存劣微分発展方程式の理論と方法を応用して物理や工学上の数理モデルの解析を行った。得られた研究実績の概要は下記のとおりである。1.Neumann境界条件のもとでの非線形退化放物型偏微分方程式が解をもつための必要かつ十分な条件を初期条件と境界条件に与えた。2.時間依存制約条件をもつ準線形放物型偏微分方程式に関する一般理論を構築し、解の存在・一意性・比較定理などを証明した。3.Dirichlet境界条件のもとで、任意の極大単調グラフに関する非線形退化放物型偏微分方程式を研究し、解が存在するための境界値に関する必要条件かつ十分条件を与えた。4.熱流が温度に関する任意の極大単調グラフのBoussinesq系を研究し、弱解の大域的存在と温度に関する最大値原理を証明した。5.負の指数をもつSobolev空間上の凸関数をうまく定義することにより、劣微分発展方程式の理論によってDirichlet境界条件のもとでの任意の極大単調グラフに関する非線形退化放物型偏微分方程式を取り扱うことに成功した。6.多孔性媒質中の流れの数理モデルとしてあらわれる楕円・放物型変分不等式の時間大域的有界性と周期界の存在を証明した。7.楕円・放物型偏微分方程式に関する一般理論を構築し、解の存在・一意性・比較定理などを証明した。8.温度に関してDirichlet境界条件のもとでPenrose-Fife型の相転移ダイナミクスモデルを研究し、基本的なエネルギー等式を正当化した。1から6までの研究成果は学術論文として本年度中に公刊された。7と8の研究成果は現在投稿中である。さらに、これらの研究成果について、国内・国外の国際研究集会・学会などで招待講演・一般講演による発表を行った。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
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