研究概要 |
3次多項式写像族の力学系に関して、stretching raysの振動やparabolic locus上でのstretching mapの不連続性等について、Branner-Hubbard-Lavaurs deformationの理論を構築することにより解明し、その概要を国際会議のプロシーディングスに発表した。本論文も完成し、受理された。 C^2のAxiom A polynomial skew productsの力学系について、DeMarco-Hruskaが2次の場合に研究したことを高次の場合に考察した。危点集合の通常の集積点集合Aと、point-wise accumulation setであるApt, component-wise accumulation setであるAccの関係について、次の結果を得た。 (1)Jpが連結でも完全不連結でもなく、Apt=Acc≠Aを満たす例の構成 (2)Jpが不連結のとき、Acc=AならばApt=Acc=Aが成り立つこと (3)Apt=Accの新しい特徴づけ (1)と(2)について、学会等で発表した。高次の場合、base Julia set Jpが連結でも完全不連結でもない場合があり、2次の場合には想像できなかった、より複雑な現象が現れることがわかった。その際、Jpの周期的な1点でない連結成分の和Jper上の振る舞いを解析することが重要であることもわかった。
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