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2006 年度 実績報告書

パウリ作用素のスペクトル解析に基づく超格子構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17540191
研究機関金沢大学

研究代表者

小栗栖 修  金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (80301191)

キーワードパウリ作用素 / スペクトル解析 / 超格子 / 準通過域 / 準透過域
研究概要

変調超格子の透過特性の解析
半導体の積層によって構成される変調超格子は特定のエネルギーを透過または遮断する特性を持つ量子デバイスであり、透過域には真の透過域と準透過域が生じることが知られているが、その生成の原因は不明で、その制御は難しい問題になっている。数学的には1次元シュレーディンガー方程式の散乱問題のひとつである。米子工業高等専門学校の浅倉邦彦講師と情報交換をしながら研究を進めており、昨年度に提案した新しいタイプの層厚に対する変調を利用することで、準通過域の生成原因の解明につながる等価ポテンシャルの算出方法が発見された。この等価ポテンシャルを用い、注目している透過域前後のエネルギー帯域に制限して考えると、2重ないし3重程度のバリア構造とみなせる可能性がある。数値的な検証数はまだまだ少ないのだが、もっともらしい計算結果となっているので、数学的な解析が今後の課題である。
また、昨年度の研究成果からグリーン関数を用いた解析の有効性が期待されていたが、純数学的な拡張問題として、無限離散グラフとしての整数全体集合上の離散ラプラシアンを考察した。その成果として、この問題のグリーン関数を具体的に構成すること、すなわち初等関数の合成として書き下すことに成功した。通常、グリーン関数は積分表示等が得られるだけであり、それだけでもとても有益なのだが、今回得られた関数表示からは従来以上に多くの情報を得られると期待できるので重要である。現時点では離散スペクトルの分布を容易に求めることができている。またもとの超格子モデルの理論的解析の道具にもなると期待している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Real-Passband Estimation for Modulated Superlattices Based on Circuit Theory2006

    • 著者名/発表者名
      Kunihiko ASAKURA
    • 雑誌名

      IEEE ISPAC 2006 1

      ページ: 415-418

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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