研究概要 |
研究代表者三沢は,月一回土曜日の熊本大学応用解析セミナーに関連研究者を招き,情報交換および研究打ち合わせを行った.また,京都大学数理解析研究所,九州大学,神戸大学,早稲田大学,広島大学,慶応大学,東海大学,東京理科大学において関連研究者と研究打ち合わせを行った.研究分担者中島は,東北大学,北海道大学において関連研究者と研究打ち合わせを行った. 研究代表者三沢は,主にm調和写像の時間発展問題の弱解の特異性について研究した.平成17年度から続けてきた研究の成果,有限個の特異点を除いて空間一階導関数とともにヘルダー連続である,m調和写像流に対する初期値自由境界問題の解の構成,は現在,主要論文に投稿,校正中である. 孤立特異点におけるエネルギー集中現象に関して,特異点におけるエネルギーの不連続性は,特異点周りでスケール変換した解の族の極限関数,定常問題の非定数解,のエネルギーの和で特徴つけられると予想し,証明を試みている.また,この極限に関してその漸近的な対称性を予想している. 研究分担者利根川は,空間1次元Allen-Cahn方程式に対して大偏差原理に動機つけられた作用積分を考え,拡散界面の厚みを0に近づけたときの極限値はフォーマルなレベルで得られる界面生成コストと界面伝播コストの和で表される事を厳密に証明した. 研究分担者小林は,ある線形接続に関する変分問題を提案した. 研究分担者中島は,4次元領域から3次元球面への定常調和写像の安定性と特異点の近傍での挙動の解析を行い,挙動の完全な分類を得た.現在,この結果の証明の議論を発展させて,3調和写像の等角性について研究している.
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