研究課題/領域番号 |
17540204
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
山田 裕二 立教大学, 理学部, 講師 (40287917)
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研究分担者 |
白石 潤一 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (20272536)
筧 三郎 立教大学, 理学部, 助教授 (60318798)
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キーワード | Yang-Baxter方程式 / YBE / 反射方程式 / reflection equation |
研究概要 |
今年度の研究では、昨年度に引き続き楕円型の模型であるBelavinの$Z_{N}$対称頂点模型に対する反射方程式の$N$が偶数の場合の解の構造を明らかにすることができた。この場合についても、解はBelavinの$Z_{N}$対称頂点模型の$R$行列そのものをある"写像"で写したものとして構成することができる。解空間の次元も$N$が奇数のときと同じで、互いに独立な1次元の解空間と4次元の解空間が存在するが、それらのBelavinの$R$行列との関係は、$N$が奇数の場合と比較して単純ではない。$N$が奇数の場合にはBelavinの$R$行列が記述されている代数$A_{N} subset End({bf C}^{N} otimes{bf C}^{N})$と$End({bf C}^{N})$が代数として同型であることから、$A_{N}$上のBelavinの$R$行列とそれの含むパラメーターを周期の半分ずつずらしたものを$End({bf C}^{N})$に写すことによって反射方程式の解を得ることができる。しかし$N$が偶数の場合には$A_{N}subset End({bf C}^{N}otimes{bf C}^{N})$は$End({bf C}^{N})$と同型ではなく、$N=2n$として$End({bf C}^{n})$の4個の直和と同型である。このことは反射方程式の解の構成のみならず、Belavinの$Z_{N}$対称頂点模型自体についても新しい知見である。この事実はBelavinの$R$行列がなぜYang-Baxter方程式を満たすのか、そのための必要であるunitary関係式を満たすのかについてより明らかにする。例えば$N=2$の場合であるBaxterの8頂点模型に文してさえも、その$R$行列$R_{8v}$は互いに可換な1次元空間4個の直和上で表され、それらの4個の係数が同じスカラー関係式を満たすことにunitary関係式は帰着される。
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