研究分担者 |
大谷 光春 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30119656)
山崎 昌男 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20174659)
山田 義雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20111825)
柴田 徹太郎 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (90216010)
倉田 和浩 首都大学東京, 都市教養学部埋工学系, 教授 (10186489)
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研究概要 |
昨年度に引き続き非線型楕円型方程式に対する特異摂動問題を中心に研究を行った.拡散係数を摂動パラメーターとするとき,パラメーターが微小となると複雑な挙動をもつ解が現われる.次の事柄を重点的に研究し成果を得た. (i)空間次元が1の場合,昨年度までに空間変数xに依存したAllen-Cahn方程式,非線型シュレディンガー方程式等の単独の方程式に対して局所的に高振動をもつ解の構成に成功している.その際,方程式の空間非一様性が重要な役割を果たし,解の高振動クラスターの位置,形状は方程式の空間非一様性により決定された.本年度は楕円型方程式系に対する特異摂動問題を扱い,特にGierer-Meinhardt系に対して,方程式系が空間変数xに依存しなくとも方程式系自身が空間非一様性と同等の効果を生み出し,局在化する高振動クラスターをもつ解が現われることを証明した.その際には特異摂動極限を記述する極限方程式が現われ,その解析から今までよく扱われてきたシャドー系とは異なるタイプの解を見いだすことに成功した. (ii)非線型シュレディンガー方程式に対する特異摂動問題に関しては,空間次元が2の場合に非常に一般的な非線型項を許容する条件の下で1つのpeakをもつ局在解の存在を示すことに成功した.この結果は空間次元が3以上の場合には知られていたが,技術的な難しさにより空間次元が2の場合は未知であった. (iii)特異摂動問題を考える際,極限問題として非線型楕円型方程式の正値球対称解が現われ,その一意性,非退化性が重要となる.今回,環状領域においてその一意性,非退化性を考察し,それを示した. なお,vortexをもつ非線型シュレディンガー方程式等についても研究を行っている.
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