研究概要 |
1)Conley指数理論,特に孤立不変集合の間の勾配的結合の構造の位相的記述とその計算的方法(データベースのコンピュータによる構築):数理モデルのひとつであるLeslie modelというパラメータ付きの常微分方程式を例に取り,その孤立不変集合の構造を,Rutgers大学のMischaikow, Pilarczykらが開発したコンピュータソフトを用い研究してきたものを論文としてまとめた. "A Database Schema for the Analysis of Global Dynamics of Multiparameter Systems"はSIAM Journal on Applied Dynamical Systemsに掲載予定である.また,Database Schemaにおけるサドル・ノード分岐,バウンダリ・クライシスの捉え方に関する定式化をした.これについては,Montana state univ.で発表し,論文を準備中である 2)相空間の有限分割による記号化を用いたカオス力学系への計算的アプローチ:あまり進展できなかったが,双曲的な系のパラメータ集合を抽出する荒井のアイデアの計算をでロジスティック写像からヘノン写像への摂動系に対して準備中である. 3)2次関数族のカオス的振る舞いに対するパラメータ集合の測度の計算的方法による評価:論文の最終確認をした. また,新しい方向として,結合系のネットワークにおける同期現象を見るために,その不変集合の構造をDatabase Schemaの方法を使い研究することを考えているが,そのための,理論的整備といくつかの予備的な数値実験を行った.
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