低温天体(褐色矮星及び赤色巨星)における分子及びダストの雲形成過程の分光学的研究

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 17540213
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 天文学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 辻 隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 名誉教授 (20011546)
• 研究期間 (年度): 2005 – 2008
• キーワード: 宇宙物理 / 光学赤外線天文学

研究概要

赤色巨星・超巨星においては、その赤外スペクトルは光球のみならず未知の成分との複合体であることを明らかにし、この未知の成分は光球大気で形成された分子雲が成長したものとするモデルを提唱した。
褐色矮星については、以前、我々が開発したUCM(Unified Cloudy Model)において、ダスト雲の厚さを示すパラメーター限界温度が各天体ごとに異なるとすることにより多くの観測結果を統一的に理解できることを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] The K giant star Arcturus : the hybrid nature of its infrared spectrum (2009)
  • 著者名/発表者名: Takashi Tsuji
  • 雑誌名: Astronomy & Astrophysics vol. 504 ページ: 543-559
  • 査読あり
• [雑誌論文] Cool luminous stars : the hybrid nature of their infrared spectra (2008)
  • 著者名/発表者名: Takashi Tsuji
  • 雑誌名: Astronomy & Astrophysics vol. 489 ページ: 1271-1289
  • 査読あり
• [雑誌論文] Infrared Spectra and Visibilities as Probes of the Outer Atmospheres of Red Supergiant Stars (2006)
  • 著者名/発表者名: Takashi Tsuji
  • 雑誌名: Astrophysical Journal vol. 645 ページ: 1448-1463
  • 査読あり
• [雑誌論文] Dust in the Photospheric Environment III. A Fundamental Element in The Characterization of Ultracool Dwarfs (2005)
  • 著者名/発表者名: Takashi Tsuji
  • 雑誌名: Astrophysical Journal vol. 621 ページ: 1033-1048
  • 査読あり
• [学会発表] 恒星大気に雲は存在するか?
  • 著者名/発表者名: 辻隆
  • 学会等名: 日本天文学会2009年秋季年会
  • 発表場所: K型巨星 Arcturus の場合
• [学会発表] 高分解能FTSスペクトルの定量解析 III : 赤外線スペクトルの複合構造
  • 著者名/発表者名: 辻隆
  • 学会等名: 日本天文学会2008年秋季年会
• [学会発表] 高分解能FTSスペクトルの定量解析 II. RGB及びAGB星における炭素及び酸素組成
  • 著者名/発表者名: 辻隆
  • 学会等名: 日本天文学会2007年秋季年会
• [学会発表] 空間干渉計データ及び赤外スペクトルによる赤色超巨星MOLSPHERE (分子光球) の最終確認と経験的モデル
  • 著者名/発表者名: 辻隆
  • 学会等名: 日本天文学会2006年春季年会
• [備考]
  • URL: http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/~ttsuji/export/