2006年1月から4月にかけて、国立天文台岡山天体物理観測所の高分散分光器により、惑星を持つ恒星34星の可視光域スペクトルを得た。このデータに基づき、18年度にアルファ元素(マグネシウム、シリコン硫黄、カルシウム、チタン)と鉄属元素(鉄、ニッケル、銅、亜鉛)について組成解析を行った。惑星を持つ星を、厚円盤星と薄円盤星に分類し、各元崇の振る舞いを調べた。結果は日本天文学会2006年秋早年会と2007年春早年会において発表された。 主な結果は以下の通りである:(1)惑星を持つ星(PHS)のアルファ元素の鉄に対する振る舞いは、チタンを除き、厚円盤星は薄円盤星より系統的に過剰である。チタンは、両者間に差異を示さない。(2)鉄族の亜鉛は、アルファ元素と同様な振る舞いを示す。(3)ニッケル、銅は厚円盤星と薄円盤星で差異を示さない。(4)銅の振る舞いは非常に大きな分散を示すが、これは、再確認する必要かおる。組成決定の方法や吸収線選択を検討することになろう。
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