研究概要 |
(1)1978年Pageは、4次元AdS Kerrブラックホール解からある種の極限操作を使ってS^2上のS^2束に非等質なEinstein計量を構成した。この計量はコンパクトな空間上の非等質なEinstein計量として顕に書き下された最初の例である。我々は、論文 「New Infinite Series of Einstein Metrics on Sphere Bundles from AdS Black Holes」Y.Hashimoto, M.Sakaguchi and Y.Yasui ; Commun.Math.Phys. 257 (2005) 273 において、Pageの手法を高次元に拡張することにより、Hawkingたちによって発見された5次元AdS Kerrブラックホール解からS^2上のS^3束に無限個のEinstein計量を誘導した。この結果は、Gibbons-Lu-Page-Popeにより任意次元のAdS Kerrブラックホールに一般化されることが示された。 (2)AdS/CFT対応は、重力理論/ゲージ理論対応の具体的な実現として盛んに研究されてきた。特に5次元佐々木-Einstein多様体上の超重力理論は、双対な4次元超対称ゲージ理論の強結合領域を記述すると考えられている。我々は、論文 「Sasaki-Einstein Twist of Kerr-AdS Black Holes」Y.Hashimoto, M.Sakaguchi and Y.Yasui ; Phys.Lett.B600 (2004) 270 において、5次元AdS Kerrブラックホール解から佐々木-Einstein計量が構成できることを発見した。この研究の発展として以下の3つの論文を発表した。 (a)「Scalar Laplacian on Sasaki-Einstein Manifolds Y^{pq}」H.Kihara, M.Sakaguchi and Y.Yasui ; Phys.Lett.B621 (2005) 288 (b)「Toric Sasaki-Einstein Manifolds and Heun Equations」T.Oota and Y.Yasui ; Nucl.Phys.B掲載予定 (c)「Seven-dimensional Einstein Manifolds from Tod-Hitchin Geometry」M.Sakaguchi and Y.Yasui ; J.Geom.Phys.掲載予定 (3)高次元ブラックホールの話題として以下の論文を発表した。 「Notes on Five-dimensional Kerr Black Holes」M.Sakaguchi and Y.Yasui ; Int.J.Mod.Phys.掲載予定
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