研究課題/領域番号 |
17540271
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研究機関 | 奈良大学 |
研究代表者 |
中川 寿夫 奈良大学, 教養部, 教授 (20068828)
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研究分担者 |
牲川 章 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90047358)
横田 浩 奈良大学, 社会学部, 助教授 (00210617)
吉田 光次 奈良大学, 社会学部, 講師 (40319926)
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キーワード | 素粒子論 / 熱場理論 / クォーク物質 / 強磁性相 |
研究概要 |
1.「高密度クォーク物質中での強磁性相の自発的生成とそれに伴う強磁場出現のメカニズムの解明」 このテーマに関しては、主に予備的な分析を遂行した。特に、高密度クォーク物質のスピン偏極をフェルミ流体理論で分析するための枠組みの詳細な検討を行ない、高密度クォーク物質に対しては従来の分析方法に不備があることを確認し、新たな分析を実行した。結果は早急に論文化して公表する予定である。 2.「強磁性相とカラー超伝導相との共存構造やQuark-Gluon Plasma相との転移機構の理解」 1)カイラル凝縮を伴うカラー超伝導クォーク物質中での強磁性相の生成についてNJL模型を用いて分析し、3つの相の共存/転移構造について考察した。結果は本科研費を利用して開催したWorkshopの場等で発表した。 2)高温Quark-Gluon Plasma相の圧力計算の改善:PMS法により熱場量子論の摂動計算が大きく改善されて格子QCD計算の結果とcomparableとなることを示し、QGP相での熱力学的諸量に対する分析においても摂動計算が有効に機能する処方筆が存在することを確認した。結果はProg.Theor.Phys.に公表した。 3)熱QEDの相転移機構の高熱ループ近似DS方程式に基づく分析:解のゲージ依存性が大きく、ゲージ不変性を何らかの形で担保した分析でのみ物理的に有意な結論が可能なことを総合研究所報等で公表した。その上で、零温度場Landau gaugeでの分析と同じレベルでゲージ不変性を担保した分析結果を得て物理学会で発表した。 3.ワークショップ「高密度クォーク物質中での強磁性相生成とカラー超伝導相との共存構造」の開催 クォーク物質中での強磁性相研究の京都大学・巽氏、カラー超伝導相との共存構造研究の東京大学・Mei(梅)氏と研究分担者・協力者全員が一同に会して研究課題に関連する今後の展望も含め議論を展開した。
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