申請者が提案した「共鳴増幅法」をより系統的に研究し、B+→φφK+の他に有用なモードがないかどうかチェックした。特に、BO→φφKsという崩壊において、時間に依存するCPの破れと共鳴増幅の両方が存在する場合の現象は未開拓の分野なので、重点的に研究した。当該研究のこの部分は、理論物理学者との活発な研究打ち合わせが研究発展の生死を握るため、国内外への旅費が重要となった。また、新しい測定法を議論する研究会を主催し、国内外の研究者とアイディアを戦わせ、より強力な方法の開発を目指した。その結果、BO→φφKsに関しては、従来よりハドロン不定性の小さい新しい測定方法を見つけ出した。この新しいアイディアに基づいて、インドのR.Sinha、N.Sinha両博士との共同研究を進めている。年度当初には気づいていなかった不定性が発見されたために、論文投稿までには至っていないが、共同研究を継続し、平成20年度に論文を投稿する予定である。
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