研究課題
イオン性液体中のイオンの伝導度などの輸送現象の基礎的な研究は、燃料電池や電力貯蔵用のバッテリーの開発にとって有益であると考えられる。我々のこれまでの研究で、等価溶融塩2元系のイオン伝導度の比はそれぞれのイオンの質量の逆比に等しいということがシミュレーションによって見出されている。すなわち、イオン伝導度の間にσ+/σ-=m-/m+の関係が成り立っている。また、溶融塩3元系中のイオン伝導度の比も温度にかかわらず一定となることをシミュレーションによって見出し、報告してきた。これまでの研究を踏まえて、我々は非等価溶融塩2元系、さらに等価溶融塩3元系(偽二元系)であるAgI-AgBr系についても、イオン伝導度に関して、分子動力学法によるシミュレーション、および線形応答理論による研究を行い、溶融塩のそれぞれのイオンに対する速度相関関数および伝導度の比に関して等価溶融塩と類似の関係式が成り立つことを確認し報告した。また、溶融貴金属-ハライド系の誘電遮蔽についても、液体の構造及び電磁気学に基づく理論および分子動力学法によるシミュレーションによる研究を行い、イオン間ポテンシャルが異種原子の存在によって遮蔽されることを見出し報告した。さらにAgBr系の融解前駆現象に関しても報告した。
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