研究課題
基盤研究(C)
核ガンマ線の共鳴吸収として発見され40年に亘って固体物理の研究手段として用いられてきたメスバウアー分光の物質科学への新しい展開を放射光の使用やナノメートルサイズのクラスター物性、UやNpで代表されるアクチノイド元素への展開などで行い、下記の成果を得、これらの成果を原著論文として発表すると共に国際会議で報告した。本研究課題をさらに発展させるためには放射性同位元素を線源としない、放射光を線源とした核共鳴散乱分光について新しく展開することが不可欠である。1.オキシ水酸化鉄のメスバウアー分光^<57>Feメスバウアー分光測定から鋼材上に生成されるオキシ水酸化鉄である錆の詳細を明らかにした。これらの成果は国際会議での招待講演や錆科学に関する書籍の一章をなしている。2.ナノメートルサイズ微粒子のメスバウアー分光ボロン被覆Fe微粒子のメスバウアー分光、SiO_2で被覆された面心正方晶Ll_0型規則合金FePt微粒子のメスバウアー分光測定を行い、通常の磁化測定では測定困難な磁性を明らかにしている。3.放射光核共鳴散乱への新しい展開(^<181>Ta放射光核共鳴散乱による共鳴光子の位相変調測定)SPring8において^<181>Ta核の核共鳴散乱をエネルギー分解測定すなわちヘテロダイン方式を用いて成功しているが、その核共鳴散乱分光で得た共鳴光子の位相変調をくさび形のアクリル円板を高速回転させることによって観測することができた。位相の時間変化からアクリルの6.21keV光子に対する屈折率を(7.11±0.14)x10^<-6>と精密に決定できた。核共鳴非弾性散乱はフォノンの状態密度を知ることができる唯一の方法であるので、今後、特に注目して発展させることが必要であろう。4.アクチノイド化合物のメスバウアー分光による磁性研究アクチノイド化合物はその5f電子の挙動から新奇な磁性や多極子秩序を示すが、これらの化合物中NpFeGa_5のいわゆる1-1-5化合物は低温で磁気秩序を示す。日本原子力研究開発機構および東北大学金属材料研究所に協力して、その微視的な磁性を^<57>Feメスバウアー分光測定から明らかにし、国際会議で報告した。
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