研究概要 |
申請書に記した課題のうち、 (1)蜂の巣格子上の3準位ランダムフラットバンド系の特異な電子状態のIPR解析及びf(α)解析に付いては、未完成ではあるが、ほぼ所期の計画を達成した。この系の波動関数の特徴は、ランダム摂動の強さがいかに弱くとも、その弱さによらず、局在長の範囲内で一見冪的な様相を示すことを数値的に確認した。これらは通常のランダム系の波動関数の持つ特徴とは明らかに異なる。結果をまとめつつある。また, (2)放物型の振動数-波数分散関係を持つ1次元及び2次元のランダム音響フォノン系の特異な性質に付いては、所期の計画を達成し、低振動数領域での波動関数の強い局在を数値的に明らかにした。波動の群速度は分散関係の1次微係数なので、群速度がゼロに漸近する低振動数領域で波動の局在が起こりやすくなることを数値的に明らかにした。質量を乱した場合とバネ定数を乱した場合では、放物型の分散関係を生み出す条件が保たれたり壊れたりするので、状況は異なる。結果を国際会議PHONONS2007(Paris)で発表し、J. Phys. Conference Seriesに投稿し掲載された。更にその後の研究をまとめて、J. Phys.に投稿中である。
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