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2006 年度 実績報告書

散逸構造としてのキラル対称性の破れ転移の化学反応系における実現

研究課題

研究課題/領域番号 17540361
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

朝倉 浩一  慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30222574)

キーワードキラル対称性の破れ / 散逸構造 / キラル自触媒反応 / 不斉増幅反応 / 結晶成長 / 非線形動力学モデル / 国際情報交換 / アメリカ
研究概要

本研究計画は、散逸構造としてのキラル対称性の破れ転移を、化学反応系において実験的に実現させることを最終的な目標としている。その第2年度にあたる本年度は、
1.これまでに提案してきた結晶化系におけるキラル対称性の破れ転移のモデルに、空間不均一性の要素を取り込んで、実験結果のより詳細な再現を試みた。
2.これまでとは異なった触媒による不斉増幅反応について、そのメカニズムの検討を行なった。
3.キラル自触媒的に進行することが報告されている化学反応について、その機構を速度論的に解析することを試みた。
その結果として、まず1.については、新たに提案したモデルによって、実験において観察される光学純度のばらつきも再現できることが明らかとなり、これら研究結果についての論文が、J.Phys.Chem.B誌ならびにChaos誌に掲載された。また、2.については、化学実験ならびにモデルの構築は終了し、現在、この研究結果についての論文の執筆中である。また、以前に研究を行なった不斉増幅反応と合わせて、全ての実験条件における結果を再現できるモデルの作成とそのモデルにおける各パラメーターの同定を、現在検討している。3.については、この反応が同じ条件下にて進行した揚合であっても、それぞれの実験試行毎に、反応速度ならび生成物の光学純度がランダムに変動することが確認された。現在、このような現象が生じるメカニズムを解析するために、より多様な条件下において化学反応を行なう実験と、1.で既に試みたような化学系の不均一性を考慮に入れたモデル構築の、両方のアプローチから検討を行なっている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Three・Dimensional Description of the Spontaneous Onset of Homochirality on the Surface of a Conglomerate Crystal Phase2006

    • 著者名/発表者名
      R.Plasson, D.K.Kondepudi, K.Asakura
    • 雑誌名

      J.Phys.Chem.B 110

      ページ: 8481-8487

  • [雑誌論文] Experimental Evidence and theoretical Analysis for the Chiral Symmetry Breaking in Growth Front of Conglomerate Crystal Phase of 1,1'-Binaphthyl2006

    • 著者名/発表者名
      K.Asakura, R.Plasson, D.K.Kondepudi
    • 雑誌名

      Chaos 16

      ページ: 037116

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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