• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

物性基礎論としてのランダム行列理論

研究課題

研究課題/領域番号 17540363
研究種目

基盤研究(C)

研究機関中央大学

研究代表者

香取 眞理  中央大学, 理工学部, 教授 (60202016)

キーワードランダム行列 / 非衝突拡散過程 / 量子ウォーク
研究概要

1.時間的に非斉次である確率過程であるミアンダー過程に非衝突条件を課すことによって定義される多粒子系を研究した.この系は2つのパラメータを持ち,特別な場合にカイラル・ランダム行列やAltland-ZirnbauerのBogoliubov-de Gennes型ランダム行列の固有値分布を粒子分布として実現する.特にこれらの分布の間を時間的に転移することを明らかにした.また,粒子数を無限大にした熱力学的極限での相関関数を厳密に求め,それらが一般に分数微積分を使って表せることを発見した.この結果は論文に纏め,現在投稿中である.また数理解析研究所講究録に部分的な結果を発表した.
2.ランダム行列は群や環の表現論と関連が深いが,そこでの知見を応用して,量子ウォークの極限分布に関する定理の別証明を与えた.この定理は今野紀雄(横浜国大工学部)によって組み合わせ論的な手法により与えられたが,我々はその群論的な性質を応用して相対論的量子力学の方程式(ワイル方程式)に写像することによって極限定理を証明することに成功した.この結果はPhys.Rev.Aに掲載された.
3.ランダム行列の理論は経済物理にも応用されている.このことも含めた解説記事を雑誌「数理科学」に執筆した.
4.ランダム行列はパンルヴェ方程式の理論とも関係する.これについて調べ,研究会等で講演を行った.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 経済物理の偶然と必然2006

    • 著者名/発表者名
      香取眞理
    • 雑誌名

      数理科学 511

      ページ: 14-19

  • [雑誌論文] Quantum walks and orbital states of a Weyl particle2005

    • 著者名/発表者名
      M.Katori, S.Fujino, N.Konno
    • 雑誌名

      Physical Review A 72

      ページ: 012316/1-012316/9

  • [雑誌論文] Non-colliding systems of Brownian particles as Pfaffian process2005

    • 著者名/発表者名
      M.Katori
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録 1422

      ページ: 12-25

  • [雑誌論文] Nonintersecting paths, noncolliding diffusion processes and Representation theory2005

    • 著者名/発表者名
      M.Katori, H.Tanemura
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録 1438

      ページ: 83-102

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi