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2007 年度 実績報告書

物性基礎論としてのランダム行列理論

研究課題

研究課題/領域番号 17540363
研究機関中央大学

研究代表者

香取 眞理  中央大学, 理工学部, 教授 (60202016)

キーワードランダム行列 / 非平衡統計物理 / 非衝突拡散過程 / 行列式過程 / 無限粒子系 / 量子ウォーク / SLE / 数論的関数
研究概要

1.非衝突条件を課した多粒子拡散過程の多時刻相関関数は一般に行列式で与えられることが,多層ランダム行列模型の理論から導かれる。このことを推移確率密度の従う偏微分方程式,直交関数系,及びフレドホルムの行列式の理論を用いることにより系統的に論じた.また,直交関数の漸近評価を応用することにより,スケーリングの仕方に応じていくつかの無阻粒子系が構成できるとを朋らかにした.これらの具体例をもとにして,行列式過程という多粒子(無限粒子)拡散過程の新しいカテゴリーを提唱し,その一般的な性質を研究した.特に道の連続性と付随する二次形式について詳しく調べた.またさらに広く,非衝突過程,行列値過程および行列式過程との間の関係やパフィアンと過程についても論した.
2.1 次元量子ウォーク模型の多成分布拡張を行った.擬速度の長時間極限分布が,今野分布関数とよばれる 2 成分標準模型の極限分布関数の重ね合わせで与えられることを証明した.成分数を大きくした極限では極限分布に定性的な変化が見られることや,高次元系への拡張の可能性についても研究した.
3.複素平面上の曲線の時間発展を記述する、Schrmm-Loewner evolution(SLE)と1次元拡散過程であるベッセル過程との関係を議論した.
4.拡散過程と数論的関数との関係を研究した.ベッセル橋とリーマンのゼータ関数やヤコビのテータ関数との関にする先行する研究成果を,多変数に拡張することを考えた。特に非衝突ベッセル橋と多重ディレクレ級数との関係を議論した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Wigner formula of rotation matrices and quantum walks2007

    • 著者名/発表者名
      T.Miyazaki, M.Katori, N.Konno
    • 雑誌名

      Physical Review A 76

      ページ: 012332/1-14

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Noncolliding Brownian motion and determinantal processes2007

    • 著者名/発表者名
      M.Katori and H.Tanemura
    • 雑誌名

      Journal of Statistical Physics 129

      ページ: 1233-1277

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 臨界現象・フラクタルの新世紀-SLEの発見-2007

    • 著者名/発表者名
      香取 眞理
    • 雑誌名

      日本物理学会誌 62

      ページ: 527-531

    • 査読あり
  • [図書] 統計物理学ハンドブック-熱平衡から非平衡まで2007

    • 著者名/発表者名
      鈴木 増雄, 豊田 正, 香取 眞理, 飯高 敏晃, 羽田野 直道
    • 総ページ数
      597
    • 出版者
      朝倉書店
  • [備考]

    • URL

      http://www.phys.chuo-u.ac.jp/j/katori/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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