研究課題/領域番号 |
17540366
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
川崎 恭治 福岡工業大学, エレクトロニクス研究所, 客員研究員 (40037164)
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研究分担者 |
加藤 友彦 福岡工業大学, 工学部, 教授 (90023217)
熊谷 博夫 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (60099025)
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キーワード | ガラス転移 / モード結合理論 / 非平衡統計力学 |
研究概要 |
1.研究成果の概要(当該研究期間のまとめ) ガラス転移の第一原理による理論であるモード結合理論(MCT)はその部分的成功にもかかわら正当性に疑問がもたれて居る。先に進むにはMCTを出発点とし、これを組織的に改良する新しい枠組みが要求される。従来の場の理論形式はそれが計算の各ステップにおいて揺動散逸関係を満たさないため不完全であると考えられている。川崎は研究協力者の金峰秀教授とともにこの点を改良した新しい場の理論による定式化を提出した。 これには計算の各段階で揺動散逸関係が成り立つ様になっており、第ゼロ近似で従来のモード結合方程式を導きだせる事が確認されている。 又懸案になっているガラス理論における熱的活性化過程をとりいれる手段として動的密度汎関数法がある。これには常に局所平衡が成り立つことを要請する決定論的理論と密度場の確率分布関数の時間変化を追う確率論的理論とがあり混乱を招いている。この両極限をつなげる事を可能にする新しい理論を射影演算子をもちいて定式化した。とくに1変数の場合を数値的に取り扱う仕事が進行中である。後者は福工大熊谷博夫、加藤友彦両氏との共同研究である。 2.関連する活動 川崎は平成18年度に関西国際高等研究所のフェローなった。この機会にガラス転移の第一原理からのアプローチに関する研究集会をおこなった。これはこの科研費の研究をわが国で前進させる一つのきっかけを与えている。
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