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2005 年度 実績報告書

弾性散乱微分断面積測定による多価イオンと原子の相互作用ポテンシャルの決定

研究課題

研究課題/領域番号 17540373
研究種目

基盤研究(C)

研究機関城西大学

研究代表者

伊藤 陽  城西大学, 理学部, 助教授 (10159923)

キーワード原子・分子物理 / 多価イオン / 原子衝突 / 量子ビーム / 相互作用ポテンシャル
研究概要

衝突実験装置の基礎的な能力向上のために,以下の事を行った.
(1) 標的ビーム(超音速ノズルビーム)強度の向上:
このために,従来より用いてきた直径・厚さ共50μmのノズルを直径50μm・厚さ200μmのものに交換した.これにより,ほぼ同一圧力の試料気体をノズルに導入した時,約4倍の強度のビームが得られた.これは,従来から知られている事であり,噴出気体の収束が良くなったためとされている.この改良により,測定時間を大幅に短縮する事・より衝突断面積の小さな反応を計測する事が可能となった.
(2)多価イオン生成部の差動排気能力の向上:
イオン化室とイオン引出し部との間に差動排気壁を増設した.これまでは,衝突室へ導入した試料気体の約0.1%がイオン化室に逆流していたが,本改良によりそれを1/5以下に減少させる事ができた.これにより,生成イオンに含まれる不純物の減少・より安定した多価イオン生成が可能になる.
また,実験結果の解析方法の確立のために,以下の事を行った.
(3)実験結果解析のための量子化学計算プログラムの導入:
移植したものは,Linux OS上で動作するAlchemyプログラムである.これを用いて試験的にCHe^<3+>の基底状態・励起状態を計算した所,すでに行われた結果と一致する事が分かり,計算が正常に行えている事を確認した.また,得られた計算結果を用いることで,これまでに得られている電荷移行反応C^<3+>+He→C^<2+>+He^+の角度分布が正確に再現できる事も確認した.本研究は,散乱イオンの角度分布から多価イオン・原子間の相互作用を決定しようとするものであり,上記の解析方法が有効である事を示せた.

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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