| 研究概要 |
本研究課題について下記の研究を発展させた。尚、前研究課題については研究成果を論文として発表し研究計画を完結させた。
1.エネルギーに依存した点状相互作用の構築とその応用:
最近エネルギーに依存した新しいタイプの点状相互作用のモデルを構築した。そこでは、1チャンネルの場合に、与えられた透過・反射係数が全てのエネルギーに対して再現されるようなエネルギー依存性をもつ最も一般的な形の点状相互作用の構築が可能であることを示した。この点状相互作用は、透過・反射問題に対するユニタリーS行列を与える。本年度はこの研究を発展させ、エネルギーに依存した点状相互作用を持つシュレーディンガー方程式の定常状態解が完全性を満たすことを示した(任意の時間に依存した非定常状態解はそれらの重ね合わせで表される)。更に、ある条件の下でこの点状相互作用が自己共役であり、非定常状態の時間発展はユニタリーであることを見いだした(CJPへ論文投稿中)。
2.PT不変な点状相互作用:
PT不変(時間空間反転不変)な点状相互作用を構築した。そして、それがAlbeverio, Fei, Kusarovらによって与えられた運動エネルギー演算子の自己共役拡張として得られる点状相互作用と等価であることを示した。
3.一般化された2チャンネル結合点状相互作用の量子レジスターへの応用:
一般化された2チャンネル結合点状相互作用を用いて2状態重ね合わせ状態を制御する量子レジスターのモデルを調べた。これは、量子レジスターの制御が外界からのシグナルの量子散乱過程として記述される新しいタイプのモデルである。本研究は現在進行中である。
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