研究課題/領域番号 |
17540387
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
日置 幸介 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30280564)
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研究分担者 |
齋藤 昭則 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10311739)
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キーワード | 電離圏擾乱 / GPS / H-11Aロケット / スマトラ沖地震 / 浅間山噴火 / 大気波動 / 全電子数 / 太陽フレア |
研究概要 |
地震や火山噴火に伴う電離層擾乱はドップラー観測などによって以前から知られていたが、我が国の稠密GPS観測網であるGEONETによって電離層全電子数(TEC)として手軽かつ高時間空間分解能で観測できるようになり、多くの知見が得られた。その一つが2003年9月26日の十勝沖地震に伴う電離層擾乱で、震源から上方に伝搬してきた音波が、電子の運動と地球磁場の相互作用であるローレンツ力を受けて生じる擾乱伝搬の方位依存性が明らかになった。また正確な伝搬速度が初めて求められ、この擾乱が地表を伝わるレーリー波や大気の内部重力波ではなく、音波によるものであることが明快に示された。これらの知見を基礎に、スマトラ地震による電離層擾乱から震源過程を推定するという世界初の試みを行った。その結果地震計では捕らえられないゆっくりしたすべりがアンダマン諸島下の断層で生じたことを見出した。その論文は米国の専門誌JGRで出版された。また2004年9月1日の浅間山の噴火に伴う電離層擾乱が確認された。これは火山噴火に伴う電離層擾乱の初めてのGPSによる観測である。アメリカの炭坑でエネルギー既知の発破を行った際に生じた電離層擾乱が過去に報告されているが、それとの比較により2004年浅間山噴火のエネルギーを推定することができた。この研究は米国の速報誌GRLに掲載された。さらに太陽面爆発現象に伴って生じる電離層全電子数の突発的上昇のGPSによる観測結果をまとめたものを測地学会誌で報告した。今年度は、2006年1月に種子島から打ち上げられたH-IIAロケットの排気ガスの影響による電離層の局地的消失現象をGEONETで観測した結果およびそのモデルをEPS誌に発表した。電離層の穴は電波天文学に応用可能であるだけでなく、GPS-TEC法による穴の探査は地球に衝突する彗星の発見にも応用できる将来性のある技術である。また地震による電離圏擾乱の解説文を地震学会の広報誌に掲載した。
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