研究概要 |
以前に取得した係留観測データについては、1999-2001年に北海道沿岸の湧別沖海域で得られた超音波氷厚計とAcoustic Doppler Current Profiler(ADCP)のデータの解析結果の取りまとめを行い、Journal of Geophysical Researchに投稿した("Sea-ice thickness in the southwestern Sea of Okhotsk revealed by a moored ice-profiling sonar" by Y.Fukamachi, G.Mizuta, K.I.Ohshima, T.Toyota, N.Kimura, and M.Wakatsuchi)。この投稿論文については、その改訂稿が現在審査中である。この論文では、平均的な氷厚(約0.7m)や力学的な変形を受けた海氷の割合(80%)などのこの海域における海氷の特徴を、複数年に渡るデータを用いて、初めて明らかにした。また、砕氷船によるビデオモニタリングで得られた北海道沿岸域での氷厚データと衛星に搭載されたマイクロ波放射計(SSM/I)データから得られる海氷の漂流速度のデータを、係留観測データと組み合わせることによって、北海道沿岸域への海氷の輸送量を見積もることも行った。 観測による新たなデータの取得については、2005年12月下旬に、超音波氷厚計とADCPから成る係留系を北海道沿岸の紋別沖海域に設置し、現在も観測を実施中である。この係留系については、2006年3月下旬に回収する予定で準備を進めている。
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