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2007 年度 実績報告書

氷厚の現場観測データを用いたオホーツク海における海氷生産量の直接的評価

研究課題

研究課題/領域番号 17540405
研究機関北海道大学

研究代表者

深町 康  北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (20250508)

キーワード海氷物理・陸水学 / 地球観測 / 海氷
研究概要

2002-03年にサハリン北部沖の薄氷域内の観測点(岸から約15km)で取得した係留観測データの処理・解析を、昨年度に引き続き行った。その結果、この海域ではdraft(水面下の海氷の厚さ)が数10cm以下の薄い海氷が卓越する時期と数mを超える厚い海氷が多い時期が見られ、それぞれの時期は概ね沖向きと岸向きの海氷の漂流速度に対応していることが解った。このことは、この観測点は陸岸に近いものの、漂流速度が岸向きの時期にはオホーツク海中央部の特徴的な海氷が捉えられていることを示唆している。draftの平均値は、全期間については1.05mで、厚い海氷の時期だけに限定すると2.03mであった。これらの値は、1999-2001年にかけてオホーツク海の南西部で観測された0.60mに較べて大きい。また、数mを超えるような厚い海氷の頻度分布についても、南西部とは異なり、北極海のボーフォート海やフラム海峡などの高緯度域で観測されたものに似ていることが明らかになった。また、このサハリン北部沖の海氷厚データを、北大低温研で進められている衛星および客観解析気象データから計算した薄氷の厚さの推定値の検証に用いることによって、その計算アルゴリズムの妥当性を示した。
冬季に予定していた昨年度と同様の北海道沿岸域での係留観測については実施することが出来なかったが、研究協力者(木村)の協力を得て、2004-05年にこの海域で取得した係留データの処理を進めた。
2005年の冬季に北海道沿岸域で取得した超音波流速計のデータを、共同で観測を行ったセジメントトラップのデータと合わせることによって、生物起源や岩石起源の沈降物質の質や量が、海氷の有無と共に変動していることを示した(Hiwatari, et. al., in press)。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Hiwatari, T., K. Shirasawa, Y. Fukamachi, R. Nagata, T. Koizumi, H. Koshikawa, and K. Kohata2008

    • 著者名/発表者名
      Hiwatari, T., K. Shirasawa, Y. Fukamachi, R. Nagata, T. Koizumi, H. Koshikawa, and K. Kohata
    • 雑誌名

      Polar Science 2(in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] オホーツク海サハリン北部沖における海氷厚の係留観測2008

    • 著者名/発表者名
      深町康, 白澤邦男, 大島慶一郎, Anatoliy Polomoshnov, Ervin Kalinin, Humfrey Melling, 水田元太, 若土正暁
    • 学会等名
      2008年度日本海洋学会春季大会
    • 発表場所
      東京・東京海洋大学
    • 年月日
      2008-03-27
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] Impact of sea-ice variability on physical and biological processes in the Sea of Okhotsk2007

    • 著者名/発表者名
      K.I.Ohshima, Y. Fukamachi, T. Nakanowatari, T. Nakatsuka, J. Nishioka, and M. Wakatsuchi
    • 学会等名
      Second Annual ESSAS(Ecosystem Studies of Sub-Arctic Seas)Meeting
    • 発表場所
      函館・函館コミュニティデザインセンター
    • 年月日
      2007-06-04

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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