人工衛星搭載降雨レーダは、降雨強度を定量的に観測することができ宇宙から降雨を観測するための主要センサであるが、観測幅を増やすために、アンテナを広く走査すると、アンテナメインローブ方向の降雨エコーに混入するアンテナサイドローブ方向からの地表面クラッタが増加し、降雨エコーを劣化させる。本研究では、将来の人工衛星搭載降雨レーダのために、アンテナが広く走査した場足でもアンテナサイドローブから混入する地表面クラッタの影響の補正が可能な降雨レーダデータ補正アルゴリズム開発の可能性について検討する。 当該研究期間において、35.5GHz帯の偏波散乱計を用いて、入射角、送受信偏波の組み合わせ、土壌の含水率、粗さ、植生の葉面積指数、水面上の風速を変化させながら測定した土壌、植生、水面の散乱係数σ^0を、データベース化した。これによって土壌、植生、海面のクラッタを評価するために必要な散乱係数σ^0のデータがデータベースにまとめられた。
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