研究課題
本研究の目的は衛星搭載の光学センサが撮影した衛星画像データを解析するための基本となる新しい地球表面の反射モデルを開発することにある。反射モデルとしては陸域と海域に分けて考える必要がある。これまでの衛星搭載の光学センサは基本的に衛星直下しか観測しておらず、地表面反射の角度依存性を明らかにできなかった。本研究は地表の同じターゲットを複数の角度で観測するADEOS衛星POLDERセンサとTerra衛星MISERセンサの画像データを利用して森林、草原、土壌、都市域など代表的な地表対象物の反射率の角度依存性を明らかにし、新しい現実的な陸域の地表反射モデルの開発を目指している。海域に関してはCox and Munkモデルを拡張し、衛星データに適用可能な広域の波面勾配の確率密度関数のパラメータ推定を実施する計画である。平成17年度の研究実績は地上ターゲット領域をNASAがモンゴルで大気観測を実施しているダランザットガットに選定し、ADEOS衛星POLDERによる多角度の観測反射率と偏光度データの解析を実施した。その結果、ランベルト反射(等方反射)を仮定する場合、大気観測による平均的なエアロゾルモデルではPOLDER観測データを満足することはできないという結果を得た。しかし、大気観測によるエアロゾルの平均粒径を使用せずに、より大粒径のエアロゾル粒子を仮定すれば、POLDER観測データを満足することは可能である結果も得た。現在、非等方反射モデルを用いてPOLDERによる多角度の観測反射率と偏光度データを解析を進めている途中である。また、同時にTera衛星MODIS画像データを用いて陸域の赤外反射率と可視反射率のバンド比を用いて可視のエアロゾルの光学的パラメータを推定する研究も進めている。これは陸域エアロゾルの可視における光学的パラメータ推定は陸域ターゲットの反射率の解析を進展させる重要な手がかりになると考えるからである。
すべて 2005
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