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2005 年度 実績報告書

太平洋ゲートウェーの変化がエルニーニョ南方振動とモンスーンに与えた影響

研究課題

研究課題/領域番号 17540420
研究機関気象庁気象研究所

研究代表者

本井 達夫  気象庁気象研究所, 気候研究部, 主任研究官 (90391226)

研究分担者 鬼頭 昭雄  気象庁気象研究所, 気候研究部, 室長 (50354452)
キーワード古気候 / 古海洋 / 海洋ゲートウェー / エルニーニョ / 南方振動 / モンスーン
研究概要

太平洋ゲートウェーのひとつであるインドネシア・シーウェー(インドネシア通過流)の縮小(約300万年前)に関する気候モデル実験データを解析した。その結果、インドネシア・シーウェーが狭まって西部熱帯太平洋海域に海洋性大陸が形成されたために、同海域での赤道湧昇が無くなり、同海域とその周辺海域で海面水温が上昇したことが分かった。この海面水温上昇にともなって積雲対流活動が活発化し、ウォーカー循環が強まった。ウォーカー循環の強化によって海上の貿易風(東風)が強まり、太平洋でラニーニャ的な応答が起こった。このラニーニャ的な応答にともなって、太平洋・北アメリカ域のテレコネクション的応答も起こり、北太平洋の北部から北西部の北アメリカ大陸西岸で寒冷化が起こった。
また、パナマ・ゲートウェーが開いている場合(約300万年前)と閉じている場合(現在)の気候モデル実験データを解析したところ、パナマ・ゲートウェーが閉じて現在のようなパナマ地峡が形成されたために、北太平洋で深い対流が止まり、塩分躍層が形成され、北太平洋とその周辺域が寒冷な気候に変わったことが見出された。
海洋堆積物コア解析による古気候・古海洋復元観測データから、これら太平洋ゲートウェーの変化が熱帯太平洋の水温躍層構造を変化させるとともに、高緯度海域の塩分躍層構造も変化させて、エルニーニョ南方振動やモンスーンに影響を与えている可能性があることが指摘されており、本研究の気候モデル実験データの解析結果と整合している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] North Pacific halocline and cold climate induced by Panamanian Gateway closure in a coupled ocean-atmosphere GCM2005

    • 著者名/発表者名
      Tatsuo Motoi
    • 雑誌名

      GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS VOL.32

      ページ: L10618

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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