1.積雪-大気間の二酸化炭素移動における風速依存性の観測 中央農研北陸研究センター内の水田圃場において積雪期間(2005年12月12日より2006年3月21日)に、観測をおこなった。観測項目は雪面上大気中の鉛直二酸化炭素フラックス、雪面上風速、積雪層内3高度および雪面上における二酸化炭素濃度等である。積雪層内の二酸化炭素濃度は積雪層の消長に伴って増減し、最大積雪深約1.2mにおいて積雪層底部の二酸化炭素濃度は大気中の3倍程度となった。積雪層上部の二酸化炭素濃度プロファイルの変動と雪面上風速との間には相関が認められた。今後、別途測定した融雪流出水中の溶存二酸化炭素濃度のデータを解析し、風によって大気への拡散が増加した分の二酸化炭素量と融雪水によって移流された分の二酸化炭素量とを分離し、風速依存性を定量化する。 2.自然積雪の音響減衰係数の測定と積雪物理諸量との関係の解明 中央農研北陸研究センター内の気象観測露場および妙高市関山において、積雪の音響減衰係数と物理諸量の測定をおこなった。積雪の鉛直断面を切り出し、新雪、しまり雪、ざらめ雪について可聴音域1/3オクターブ毎の音響減衰係数を測定するとともに、積雪の密度、含水率、粒径等の測定をおこなった結果、各周波数における音響減衰係数の分布パターンが雪質によって異なることがあきらかになった。次年度についても測定を継続し、データを蓄積する。 3.積雪の音響インピーダンス測定法の検討 文献調査等をおこなった。
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