研究課題
基盤研究(C)
(1)EUVデータベースの構築、電離圏、熱圏データの取得本研究は、太陽フレアにおいて発生する、多量のX線、EUV等による地球大気の影響を明らかにすることを目的にしている。フレアの発生に伴い、電離圏の電子密度が一時的に増大することは知られていたが、これらの比較な主に電波等の電子密度の増大に直接寄与する波長域での比較ではないため、物理的な対応づけをすることが難しかった。本研究は、衛星データを使用して、太陽の軟X、EUVデータ等を使用し、GPSデータ等の最新の地上観測と比較しようという試みである。本年度は1991〜2000年までのX線データを主に取得し、これを画像データとともにデータベース化し、フレアカタログとして構築し、外部ユーザーに提供した。また、このデータベースそのものに関する記述や、データベースを作成する上で必要であった高エネルギー域用のスペクトル計の装置較正に関する記述を学術論文として投稿し、受理された。また、このデータベースを用いて、太陽フレアに関する研究も行い、フレアのスペクトルや放射位置に関しての統計的な結果を得た。特に、エネルギーの高いX線(硬X線)の主要な放射域が太陽表面の1000KM程度の幅におさまっていることを観測的に示し、その初期成果を投稿した。また、GPSデータによる電離圏の電子密度の増大とフレアによる軟X線強度両者の関係に関する初期解析を行った。(2)EUVデータ解析手法の確立フレア時において、放射強度は数秒〜数分のタイムスケールで大きく変動するが、これに対応するEUVの観測データは多くの時間で欠損があり、直接使えるデータは現在少ない。この間題を解決するため軟X線の観測データからEUVを推定する数値計算を試みた。ある程度、観測に近いものが得られたが、改良の余地が多数あるといえる。
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Solar Phys. (掲載予定)