研究課題
平成17年度は以下の項目について研究を推進した。1.2次オーダーの密度ゆらぎは、大振幅MHD波動の崩壊不安定性、2次元的収束などのパラメトリックな過程において生成される。これらの非線形不安定性の議論に、ゆらぎ間の相関の計算はすでに含まれている。各種のパラメトリック過程について、それぞれが生成する磁場・密度ゆらぎの相関を理論的に求めた。2.パラメトリック不安定性の中でも特に自己変調不安定性に着目し、この非線形発展過程における密度ゆらぎと磁場ゆらぎの生成、これらの間の相関について、主として計算機実験による議論を行った。計算機実験など、発展方程式系が既知のものである場合、各変数の時間発展の評価から、波動の非線形分散関係(の時間発展)を求めることができる。この手法を確立した。波動の非線形発展に伴い、位相相関を持つMHD構造(coherent structures)が作られることが知られているが、先の非線形分散関係の手法をこれに適用することにより、分散関係が直線上に乗ること、つまり波動間共鳴条件が良く満たされる状態が自発的に作られることを示した。3.非線形波動方程式系におけるモード間結合と位相相関の自発的生成との関連:微分型非線形シュレーディンガー方程式(DNLS)系、ホールMHD系、さらに3波共鳴組などの広い範囲の非線形系において、モード間のエネルギー交換が、モード間の位相相関を自発的に生成することを見出し、これについての理論的考察も行った。4.アルフヴェン波と音波がほぼ縮退している場合の発展方程式系(TDNLS系)に、ヒートフラックスの効果を取り入れることにより運動論的効果を含ませた新しい方程式系を導き、この系における自己変調不安定性を吟味した。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
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